
IPマーケティングとは?種類や手法、活用のメリット・注意点など丸ごと解説
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インバウンド向けの多言語対応は、単に日本語を外国語へ翻訳することではありません。
GoogleマップやWebサイトで自分たちの店舗や施設を見つけてもらい、商品やサービスを理解したうえで、店頭でも迷わず利用できる環境を整えることが重要です。
本記事では、多言語対応の基本や必要性、対応言語の決め方を解説します。
さらに、旅マエ、旅ナカ、旅アトという訪日外国人観光客との接点での具体的な対応方法や、無料・低コストで始める方法、よくある失敗も紹介します。自社のインバウンド集客施策に、ぜひご活用ください。
多言語対応は訪日外国人観光客に自社の魅力を訴求する取り組み
インバウンドで多言語対応が必要な3つの理由
多言語対応は何語から始める?対応言語の決め方
1. Googleビジネスプロフィール・Googleマップ
2. Webサイト・予約ページ
3. SNS(Instagram・TikTokなど)
4. 店頭の看板・POP
5. メニュー・商品説明
6. 店内・施設内の案内表示
7. 接客・会計
方法1. Google翻訳・AI翻訳で外国語のベースをつくる
方法2. 写真・ピクトグラム・QRコードで翻訳量を減らす
方法3. GoogleビジネスプロフィールやSNSなど既存媒体を活用する
失敗1. 日本語をそのまま翻訳し、訪日外国人観光客に必要な情報が不足している
失敗2. 対応言語を増やしすぎて情報を更新できなくなる
失敗3. 来店前だけ多言語対応し、店頭や接客まで対応できていない

インバウンドにおける多言語対応とは、訪日外国人観光客が店舗や施設の情報を理解し、安心して利用できる環境を整える取り組みです。
多言語対応の基本的な考え方や必要とされる理由、対応する言語の決め方について説明します。
「多言語対応」というと、メニューやWebサイトを外国語にすることだと思われがちです。しかし、本当のねらいはその先にあります。
翻訳した情報を通じて商品のこだわりや使い方を伝え、訪日外国人観光客に「この店を選びたい」「ぜひ体験してみたい」と感じてもらうことが大切です。自社の商品やサービスの魅力が伝わってこそ、多言語対応ははじめて集客につながるといえるでしょう。
ただ言葉が通じるだけの店と、魅力まで伝わる店とでは、選ばれ方が大きく異なります。また、訪日外国人観光客にとっても、多言語対応は旅の満足度に大きな影響を及ぼします。
国も観光庁のガイドラインで、外国人目線に立った対応を進めるよう呼びかけています。
詳細は「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」をご覧ください。
多言語対応が必要な理由は、主に3つあります。
1,言葉の壁による不安や不便を減らせる
2,来店・購入に必要な情報を伝えられる
3,商品やサービスの魅力を理解してもらいやすくなる
観光庁の調査でも、訪日外国人旅行者の困りごととして「スタッフとのコミュニケーション」や「多言語表示のわかりにくさ」が挙げられています。2025年は2位と5位にランクインしました。

※観光庁「令和7年度『訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート』調査結果」より作成
多言語対応が重視される背景には、訪日外国人観光客の増加があります。2025年の訪日外国人観光客は、前年比15.8%増の約4,268万人。
インバウンド消費額も過去最高の約9.5兆円を記録しました。国は2030年に「6,000万人・15兆円」の達成を目指しています。
多言語対応は、国を挙げて推進する施策の一つと位置付けることができるでしょう。
参考:観光庁「訪日外国人旅行者数・出国日本人数」「観光立国推進基本計画」
インバウンドの経済効果は、下記の記事でも詳しく解説しています。
【関連記事】インバウンドによる経済効果とは?最新の消費動向や成功事例も解説
対応言語は、まず英語を基本とし、自店・自施設の利用者に応じて中国語や韓国語などを追加する方法が考えられます。
次の情報を参考に、優先順位を決めましょう。
〇実際に来店する訪日外国人観光客の国・地域
〇予約・販売データ
〇接客時によく使われる言語
〇SNSの閲覧者データ
〇地域の観光統計
最初から多くの言語へ対応すると、料金や営業時間を変更するたびに更新作業が増えて手間がかかります。
自店の利用者に多い言語から始め、必要に応じて広げるのが現実的です。
なお、すべてを文章で翻訳する必要はありません。言葉に頼らず伝える工夫も、立派な多言語対応です。例えば、ピクトグラム(案内用の絵記号)や写真を活用すれば、翻訳する文章そのものを減らせます。具体的な方法は、後述の「方法2.写真・ピクトグラム・QRコードで翻訳量を減らす」で説明します。
【関連記事】
インバウンド需要とは?今後の展望や課題、取り込むための4つの対策を解説

インバウンド向けの多言語対応で押さえておきたい、7つの場面について解説します。
インバウンドのメリットやデメリット、課題などについて知りたい方は下記の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事】
インバウンドのメリット・デメリット総まとめ!3つの課題と対策、成功事例を解説
インバウンドツーリズムとは?メリット・課題や成功事例からわかる対策のポイントを解説
Google検索やGoogleマップで店舗や施設を探す人に向けて、まずはGoogleビジネスプロフィールの基本情報を整えましょう。
Googleビジネスプロフィールでは、Google検索やGoogleマップに表示される情報を管理できます。また、店舗や商品・サービスなどの写真も追加可能です。多言語対応を優先したい項目は、次のとおりです。
◆ 店舗名・施設名・カテゴリ
◆ 住所・営業時間・定休日・電話番号
◆ 商品・料理・サービス情報
外国語の口コミにも、簡単な英語でよいので積極的に返信しましょう。丁寧な印象を与えられ、親しみや好感度が上がりやすくなります。
【関連記事】Googleマップでインバウンド集客を強化!今すぐ真似したいMEO対策7選
Webサイトでは、訪日外国人観光客が来店・利用を判断するために必要な情報から多言語化するのが効果的です。特に予約が必要な店舗や施設では、予約ページまで確認しましょう。予約画面に移動した途端に日本語だけになると、言葉がわからず、離脱されてしまうリスクが高まります。
サイト全体を一度に翻訳するのが難しい場合は、来店に直接関係する項目から優先するのがおすすめです。
《多言語対応を優先したい項目》
営業時間・休業日
所在地・アクセス方法
メニュー・料金
予約方法
《可能であれば多言語対応に取り組みたい項目》
支払い方法
キャンセル条件
利用上の注意事項
問い合わせ方法
下記の記事では、国別支払い方法のトレンドや導入のポイントについて説明しています。あわせてご覧ください。
【関連記事】インバウンド決済対応ガイド|国別支払い方法のトレンドと導入のポイント
InstagramやTikTokなどのSNSも、訪日外国人観光客への発信に欠かせません。
プロフィール欄や最初に表示される固定投稿に、店の場所や特徴といった基本情報を外国語で載せておくと親切です。
投稿では写真や動画を中心に据えると、説明文を長く翻訳しなくてもイメージを伝えやすくなります。
「#japantravel」「#tokyofood」のような英語のハッシュタグを付ければ、日本に興味がある世界中の人に届きやすくなります。
まずは無理のない範囲で英語のタグをつけるところから始め、徐々に多言語対応を増やしながら、発信を続けていきましょう。
【関連記事】インバウンド向けSNS集客は「使い分け」がカギ!8事例に学ぶ成功のポイント

店の前を通りかかった訪日外国人観光客に入店してもらうには、店頭の見せ方が大切です。
まずは「何の店か」「いくらぐらいか」が一目でわかるよう、記載しましょう。
例えば飲食店なら、料理写真に「Ginger Pork(豚肉の生姜焼き)」「¥1,200 tax inc.(税込)」と添えるだけでも、料理を選ぶ際の判断材料になります。
小売店では、人気商品やサイズ、免税対応の有無など、訪日外国人観光客から問い合わせを受けやすい情報をPOPにしておくのも有効です。
免税制度の変更のように内容が複雑な案内は、イラストと多言語を組み合わせたPOPが役立ちます。並んでいる間に読んでもらえれば、レジでの説明の手間も減らせます。
なお、2026年11月から、日本の免税制度が大きく変わり「リファンド方式」が導入されます。詳細は、下記の記事をご覧ください。
【関連記事】【2026年改正】免税のリファンド方式とは?レジの混乱を防ぐ3つの対策

▲出典:お好み焼き本舗(英語表記メニュー)
飲食店や小売店で特に重要なのが、メニューや商品の説明です。商品名だけを訳しても、それがどんなものか伝わらなければ、注文や購入にはつながりません。
例えば「親子丼」を「Oyakodon」と表記するだけでは、料理を知らない人には内容がわかりません。
「Chicken and egg over rice」として鶏肉や卵、ご飯を使った料理であることなどを補足すれば、どのような料理なのか判断できます。
さらに、アレルギーや宗教上の理由(ハラル・ベジタリアンなど)で食べられないものがある観光客に向けては、言葉だけでなく、ピクトグラムなどの視覚情報で示すことが重要です。
【関連記事】
インバウンド対策の成功事例5選|飲食店や自治体などでの成功法則とは?
インバウンド対策は何から始める?小売店や飲食店など業種別具体策や成功のポイントを解説
観光施設やレジャー施設など、店内が広い業態では、施設内の案内表示も多言語対応が求められます。どこに何があるかわからないと、旅行者は不安を感じがちです。矢印やピクトグラムを添えると、より直感的に伝わります。
《多言語対応の優先箇所の例》
入口・出口
受付・会計
トイレ
エレベーター・階段試着室
注文場所
商品受け取り場所
観光庁の多言語対応ガイドラインでは、「①禁止・注意」「②名称・案内・誘導・位置」を示すものについては、英語の併記を行うことを基本としています。「③展示物等の文章解説」についても、視認性や美観に問題がない限り、英語の表記を行うことが望ましいと言及しています。
多言語対応とはいっても、すべてのスタッフが外国語を流暢に話す必要はありません。まずは接客で頻繁に使うフレーズや質問を整理しましょう。
▼飲食店でよく使うフレーズの例
・何名ですか(How many in your party?)
・店内ですか、持ち帰りですか(For here or to go?)
・お会計はこちらです(Here is your bill.)
▼小売店でよく使うフレーズの例
・何かお探しですか(Are you looking for anything in particular?)
・在庫を確認します(Let me check if we have it in stock.)
・サイズ違いもございます(We have it in other sizes.)
・袋はご利用になりますか(Would you like a bag?)
・免税をご利用ですか(Would you like to shop tax-free?)
定型的な会話は接客シートを用意して指差しで伝えられるようにし、とっさの会話では翻訳アプリなどを併用する方法もおすすめです。
【関連記事】インバウンド集客完全ガイド|すぐ始めたい6つの方法と成功事例
ここまで7つの接点を紹介しましたが、自店で優先すべき取り組み順位は、業種や立地、来客層などによって異なります。
場合によっては、「費用をかけたのに集客につながらない」という後悔を招きかねません。状況を整理し、効果的に多言語対応を始めたい方は、インバウンド集客の専門家へ相談しながら進めていくのがおすすめです。まずはお気軽にご相談ください。
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多言語対応には、Webサイトの全面リニューアルや外国語スタッフの採用など、一定の費用がかかる施策もあります。
一方、翻訳ツールや既存のWebサービス、写真などを活用すれば、費用を抑えて改善できる部分も少なくありません。
ここでは、なるべくコストをかけずに始められる3つの方法を紹介します。
Google翻訳や生成AIを活用すると、営業時間やアクセス、簡単な施設案内、接客フレーズなどを外国語ベースで作成できます。
翻訳精度を高めるには、元となる日本語も簡潔にするのがポイントです。
「恐れ入りますが、こちらにお並びいただきますようお願いいたします」よりも、「こちらに並んでください」のほうが、意味が明確で伝わりやすくなります。
ただし、機械翻訳は完璧ではありません。特に料理名や専門的な言葉は、意味がずれることがあります。検討の材料として使用しつつ、大事な部分は人の目でチェックするのが安全です。
翻訳する文章そのものを減らすのも、効果的な方法です。写真やピクトグラムは言語を問わず伝わりやすいため、翻訳の手間もコストもかかりません。
例えばメニューに写真を添えれば、それだけで注文のハードルが下がります。トイレや会計場所もピクトグラムで示せば、言葉なしで案内できます。さらに、QRコードを使って多言語の案内ページに誘導すれば、印刷物を何種類も作らずに複数言語へ対応できます。
すでにGoogleビジネスプロフィールやSNSを利用している場合は、積極的に活用しましょう。Googleビジネスプロフィールの基本的な部分は無料で、Google検索やGoogleマップ上の店舗情報・写真などを管理できます。
また、SNSも、プロフィールや固定投稿に短い外国語案内を加えるところから始められます。
多言語対応のためだけに媒体を増やすのではなく、現在利用している情報発信手段のなかで改善できる部分を探しましょう。
費用だけではなく、時間や労力などのコストも軽減できます。

ここでは、代表的な3つの失敗例を紹介します。
ありがちなのが、日本語の文章をそのまま機械翻訳しただけで終わらせてしまうケースです。直訳では意味が通じなかったり、外国人観光客が本当に知りたい情報が抜けていたりします。
例えば料理名を訳しても、辛いのか、量はどのくらいか、といった判断材料がなければ注文には至りません。翻訳して終わりではなく、「相手が何を知りたいか」を考えて情報を足すことが大切です。

せっかく多言語対応ができたとしても、情報を更新できなければ、かえって混乱を招きかねません。次のようなケースは、可能な限り回避したいところです。
〇日本語ページだけ営業時間を変更した
〇特定の外国語メニューだけ旧価格のままになっている
〇終了したキャンペーンが外国語ページに残っている
まずは英語など主要な言語に絞り、確実に維持できる範囲から取り組みましょう。
「WebサイトやGoogleマップは英語にしたのに、いざ来店したら店頭も接客も日本語のまま」という情報の切断も、よくある失敗の一つです。手間をかけてわざわざ来てくれた訪日外国人観光客に、最後の場面でがっかりさせてしまう結果を招きかねません。
多言語対応は、探す段階から会計まで一続きでこそ効果を発揮します。来店前・来店中・会計と、行動全体をつなげて考えましょう。

実際に多言語対応を進めるときの手順を整理します。何から手をつけるか迷ったら、次の4ステップの順で進めるとスムーズです。
ステップ1. 自店を利用する訪日外国人観光客の国・地域を把握する
ステップ2. 訪日外国人観光客が迷う・困る場面を洗い出す
ステップ3. 来店・購入への影響が大きい場所から対応する
ステップ4. 来店数や問い合わせの変化を確認して改善する
特に大切なのは、ステップ4です。
多言語対応は「取り組んで終わり」の施策ではありません。例えば、多言語メニューの導入後に注文時の質問が減ったのであれば、「次は店頭POPを改善する」といった形で、対応範囲を拡大できます。
反対に、多言語化しても訪日外国人観光客の来店自体が増えていない場合は、翻訳より前の集客導線に課題があるかもしれません。
GoogleマップやSNSでの情報発信、Webサイトへの導線なども含めて見直しましょう。

インバウンドにおける多言語対応とは、店のすべてを一度に外国語化することではありません。
訪日外国人観光客が「見つける・選ぶ・利用する」それぞれの場面で、言葉の壁につまずかないよう情報を整えることが大切です。
まずは英語から始め、来店の多い言語へと対応の幅を広げていきましょう。
Googleマップやメニュー、接客など、旅行者が困りやすい場所から順に手をつければ、費用を抑えながらでも効果が期待できます。
多言語対応にとどまらず、インバウンド集客全般に取り組みたいなら、専門サービスを利用するのがおすすめです。
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