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「コーヒー」から見えてきた! アフターコロナに共感を得る商品・サービスのヒントとは? 【#生活者意識の変化】

2022.09.02
データマーケティングセンター 伊藤光浩

「コーヒー」から見えてきた! アフターコロナに共感を得る商品・サービスのヒントとは?【#生活者意識の変化】

私たちが所属するデータマーケティングセンター(DMC)は生活者心理・購買行動などあらゆるデータを収集・解析し、クライアントにおけるコミュニケーション戦略を立案している部門です。

当センターでは、「生活意識の変化」「買い物の未来」「健康寿命の延伸」「SDGs」の4つをテーマに、自主調査を通じて生活者の行動や意識を把握しています。その結果とともに、これから先に起こり得る変化や、商品・サービスなどの企画のヒント等を私たちなりの視点での「気付き」をコラム形式でお届けしていきます。

今回、2022年3月にアンケート調査を実施し、「生活意識の変化」として、大多数の家庭で楽しまれる嗜好品『コーヒーの飲用状況の変化』から深堀りしてみたところ、アフターコロナへ向かって生活者の共感を得られる商品・サービス(またはイベントなど)企画のヒントが見えてきました。

◆コロナ禍で外出機会よりも「巣ごもり」の時間が増加したことで、コーヒーを飲む頻度は「自宅」は増加、「カフェなど」は減少

今回の調査対象者(20〜69歳男女、週1回以上コーヒー飲用)に対し、新型コロナウィルス感染拡大前(~2020年1月)とそれ以降(2020年2月〜)で、コーヒーを「自宅で」「自宅外(カフェなど)」で飲む頻度を比較しました。(n=540)

自宅は「とても増えた」+「やや増えた」計42.2%、自宅外(カフェなど)は同22.2%と、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などのコロナ感染拡大防止対策により、外出機会よりも「巣ごもり」の時間が以前と比べて増加したことで、「自宅でコーヒーを飲む」頻度の方がより高くなっていることが窺えます。

◆コロナ禍以降(2020年2月〜)は宅配や手挽きなど「自宅で楽しむ」に特化。今後の意向は「アウトドアでの飲用」「自宅でオリジナル焙煎」など”シーンの拡大と深化”が見られる

続いて、コーヒーに関連した様々な行為・行動の実践(又は関心)内容を、(1)「コロナ禍前(〜2020年1月)から実践」していた」(2)「コロナ禍以降(2020年2月〜)から実践をはじめた」(3)「(今まで)実践したことはないが関心がある」の3つに分けて伺いました。

(1)「コロナ禍前(〜2020年1月)から実践」していたことは?(n=540)

「インスタントコーヒー(74.8%)」や「ドリップパック(62.7%)」でコーヒーを淹れることの他に、「テイクアウト(52.2%)」もコロナ禍以前から多くの人が利用していることが窺えます。また、上位ではありませんが「バーベキュー(25.6%)」や「カフェ巡り(TV雑誌で話題24.8%/グルメ評価サイトで上位23.6%/宿泊旅行先で23.2%)」などもコロナ禍以前から行われており、味だけでなく体験にこだわる様子が見られました。

(2)「コロナ禍以降(2020年2月〜)から実践をはじめた」ことは?(n=540)

「お店からコーヒーをテイクアウト(9.5%)」「宅配サービス(ウーバーイーツなど)利用(7.4%)」といった、「お店から自宅等へコーヒーを連れ出す」行動や、「自宅で『セルフ手挽き』(8.5%)」「自宅の庭・ベランダのバーベキューでコーヒーを飲む(6.7%)」といった「おうち時間を充実」するための行動など、コロナ禍以降(2020年2月〜)はコーヒーを飲む行為を「自宅」に集約する傾向が特に窺えました。また在宅勤務へシフトしたことで「テレワーク目的のカフェ利用(6.7%)」といった行動も見られました。

(3)「(今まで)実践したことはないが関心がある」ことは?(n=540)

特に「公園・川辺などのBBQ時(16.7%)」「デイキャンプ時(16.1%)」「チェアリング時(15.8%)」など、アウトドアシーンでのコーヒー飲用意向が高いことが窺えます。また、「3万円以上のコーヒーメーカーを使う(15.5%)」「自宅での『セルフ手挽き』(13.2%)」「自宅で『セルフ焙煎』(12.9%)」など、自宅でコーヒーを『よりリッチに味わいたい』という意向も高いことが判りました。

 

 

最後に、「(それ以前と比較した)コロナ禍以降(2020年2月〜)のコーヒー飲用変化」及び「今後コーヒーに関してやってみたいこと」を自由回答形式で伺いました。

(1)コロナ禍以降(20年2月〜)のコーヒー飲用変化

在宅時間の増加により、「豆へのこだわり」が強まったり「挽いて飲む」ことが多くなったりと、「じっくり丁寧に」コーヒーを飲む時間を楽しむ傾向が見られました。また、近年のSDGsへの関心の高まりからか、「環境に悪いので個包装のコーヒーの購入を止めた」との意見もありました。

(2)今後コーヒーに関してやってみたいこと

「生豆の焙煎」や「ラテアート」にトライしてみたいという意見が多くありました。その他、「川下り」「デイキャンプ」「チェアリング」「ツーリング」などの幅広いアウトドアシーンでの飲用意向も見られました。

★今回の気づき・ラーニング

今回の調査から、コーヒーは自宅のリビングで、“丁寧に焙煎”し、“ゆっくり淹れて”、“じっくりと味わう”という“巣ごもり生活”をより豊かにすることでコロナ禍の生活者に深く寄り添う一方で、従来の「自宅」or「カフェ」の2択に留まらず、密を避けて公園、川原、山岳、キャンプ場といった様々なアウトドアシーンで楽しい時間を過ごすためのキーアイテムとなるなど、コロナ禍における人々の生活の愉しみ方の変化・拡張に大きな役割を果たしていることが窺えました。

また、この傾向は、コロナ禍という大きな制限下にあって生活者それぞれが自分の心地よい暮らし方は何か?を探る中で発生したものと言え、(焙煎などで)自分オリジナルのコーヒーを創りたい、様々なシーンでコーヒーを楽しみたいという意向は、店舗発信といった第三者から提供される定型コンテンツや、店舗や自宅など決まった場所に縛られず、自分で考え能動的に楽しみを見つけたいという意識の表れとも言えそうです。

ゆえに、この傾向はコーヒーに限らず、アフターコロナに向かって「お客様に寄り添い時間を豊かにする商品全般・サービス(またはイベントなど)」の企画のヒントとしても参考価値があるものと考えられます。

どのポイントでお客様のオリジナリティを発揮してもらう余地を作るか?自宅や店舗などの「場所の制約」から解き放たれた場合、どこでその商品・サービス(またはイベントなど)を体験すると気持ち良いのか?などを考えていくことで、従来にはない新たなビジネスチャンスの発掘にも繋がるかもしれません。

この調査が皆さまの企画のヒントに少しでもお役立ちできたら幸いです。

<調査概要>

■調査方法:ウェブ調査

■調査エリア:全国

■調査対象者:20歳~69歳男女  ・未既婚の指定、既婚者の子ども有無の条件無し

・週1回以上コーヒーを飲用している

■サンプル数:合計540サンプル(スクリーニング17,166サンプル)

■調査期間:2022年3月

当社データマーケティングセンターではオリジナル調査の設計はもちろん、アンケート結果や定性・定量データを元に課題の可視化やソリューションの提案に取り組んでいます。

具体的な課題をお持ちの方、課題がみえていない方でも皆様の状況に合わせたベストなソリューションをご提案します。

ご気軽にお問い合わせください。

※調査結果については、クロス集計表をご用意しております。ご希望の際は、弊社お問い合わせよりお願い致します。

※本情報の引用・転載時には、必ず当社クレジットを明記いただけますようお願い致します。

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