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コロナ禍における外出規制や在宅時間の増加は、自分自身が着る衣服に関して影響をあたえている?

2022.06.01
データマーケティングセンター 新藤友子 今井 洋

コロナ禍前後における在宅勤務中における衣服の買い方・選び方の変化」を調べてみたら…

私たちが所属するデータマーケティングセンター(DMC)は生活者心理・購買行動などあらゆるデータを収集・解析し、クライアントにおけるコミュニケーション戦略を立案している部門です。当社ウェブサイトをご覧になられた皆様へオリジナルの調査結果とそれに基づくわれわれなりの「気づき」をお届けし、日々のマーケティング活動に活かして頂ければと思っています。

2022年6月現在、新型コロナウイルス感染症は、拡大と収束を繰り返しながら少しずつ行動制限は緩和され、人々の外出頻度も高まってきたように感じます。一方、働き方ではリモートワークが定着する兆しも見せています。

人々の過ごし方が変わっていく中、生活する上でのベースとなる衣服の買い方や選び方はどのように変化したのか。2021年9月のコロナ禍に実施したアンケート調査を使って考えてみたいと思います。
今回の調査では、2021年9月時点で20歳以上の会社員(フルタイム勤務)のうち、コロナ禍をきっかけに「在宅勤務」をしていた方を対象としています。

◆コロナ禍で在宅勤務が始まってからの衣服の購入率は、コロナ禍前よりもマイナス35ptの大幅低下

自分自身の衣類の購入状況(N=661)

*各時期における実店舗およびネット経由を含め実際に購入に至った「購入率」

>特に20代・60歳以上の低下が目立つ

❷自分自身の衣類の購入頻度(N=各時期購入者)

>「3週間に1回以上」の高頻度購入者が半減、「2カ月に1回以下」の低頻度購入者が1.3倍に増加するなど、コロナ禍、在宅勤務開始後に衣服の購入頻度も大幅低下

>在宅勤務開始後も、「1週間に1回」の高頻度購入者は6%存在

◆コロナ禍で在宅勤務が始まってから、1カ月にかける衣類の購入予算は「10,000~20,000円」の割合の上昇が目立つ

❸自分自身の衣服1カ月にかける予算(N=各時期購入者)

>衣服にかける予算は、時期を問わず①「2,000~3,000円」 ②「4,000~5,000円」 ③「10,000~20,000円」の3つのヤマがある

>コロナ禍以降も衣服に高い予算をかける層の増加も目立つのは、飲食や外出機会が減った分、衣服の購入に予算がまわったと考えられ、生活環境が変化する中で「衣服を買うことでのストレス解消」であったり、「衣服に対して付加価値を求める」傾向が強まったことが背景として考えられる(*衣服の選び方等の変化・特徴については後述)

◆在宅勤務開始後で着る服に変化があった人は約半数。「着心地」を求める傾向が強く、「デザイン」「素材」への意識が低下しているが、影響は限定的

❹コロナ禍前⇔在宅勤務中自分自身の服装(着る服・買う服)に関する変化(N=611)

❺自分自身の衣服を購入する際の基準(N=各時期購入者) ※[コロナ禍前→コロナ禍で在宅勤務が始まってから]での変化

>“過ごしやすさ”を意識する一方、在宅であってもデザインの重要性は大きいことが分かる

◆コロナ禍における衣服の存在は、「快適さを追求する」「気持ち的に刺激を与えるための存在」の2方向

❻コロナ禍前と比較した在宅勤務中の服装に関する変化(自由回答)(N=611)※自由回答の内容を分解し、傾向によるネットワーク図として可視化

>在宅勤務開始後は、「着心地(ゆったり・リラックス)についての意見が多い

>デザインは、「シンプルめ」の他、「いつもより派手・明るい服を選ぶようになった」という声も目立つ。在宅勤務をきっかけに、今まで着ることがなかった“派手”“明るい”服を楽しんでいる実態もうかがえる

❼コロナ禍における衣服の存在価値(N=661)※自由回答の内容を分解し、傾向によるネットワーク図として可視化

>衣服の存在は、“おしゃれ”も含め、自分自身を表すアイテムとしては変わらず

>「快適さを追求するための存在」「気持ち的に刺激を与えるための存在」の大きく2つに分かれている

◆コロナ明けの衣服は「前向きな気持ちになれる」他、「着心地」は引き続き意識する傾向。「服の量より、高くても長く着られるものを厳選したい」という声も

❽コロナ感染収束時の衣服について意識すること(N=661) ※自由回答の一部抜粋

デザインは、「出かけたいと思うような/元気が出そうな服」という前向きな意見の他、「周囲の目もあるので、再度見た目を考え直す」というややネガティブな側面を含む意見も

>コロナ禍で高まった「着心地」は引き続き重視する傾向

>コロナ禍で衣服の必要量が分かった(減った)ため、高くても長く着られるものを厳選する」という意見も

★今回の気づき・ラーニング

今回の調査から、コロナ禍前からコロナ禍で在宅勤務をするまでの過程で、衣服の購入率・頻度の変化と共に、購入基準にも変化があり、コロナ禍が私たちの衣服の選択基準にも影響を与えていることが分かりました。

在宅時間が増えたことで、衣服に快適性を求める傾向が強くなったと同時に、「自分の気持ちを刺激する、明るくするもの」としての価値が高まっている部分も注目すべきポイントです。これまで着ることのなかった“派手” “明るい色” などの衣服に挑戦してみることで、外見だけでなく内面的な「新しい自分」に出会うきっかけが訪れたといってもよいのかもしれません。

今後、人々がより自由に行動しやすい世の中に進む中で、生活者の内面を刺激するメッセージを強めたプロモーションはマーケティング戦略において有効な方向の一つになるのではないでしょうか。

それは、衣服だけでなく、食・住を含めたすべての方向で共通して言えることなのだと考えます。それこそ、部門を横断した商品陳列・売り場づくりをすることで、消費者のキモチを後押しさせるような方法も有効なのではないでしょうか

この調査が皆さまの企画のヒントに少しでもお役立ちできたら幸いです。

<調査概要>

■調査方法:ウェブ調査

■調査エリア:全国

■調査対象者:20歳~69歳男女  ・未既婚の指定、既婚者の子ども有無の条件無し  ・着る服は自分自身で選んで購入している

・フルタイム勤務者(会社員) ・新型コロナ感染拡大をきっかけに、現在「在宅勤務」をしている人(回数は問わず)

■サンプル数:合計661サンプル

■調査期間:2021年9月

当社データマーケティングセンターではオリジナル調査の設計はもちろん、アンケート結果や定性・定量データを元に課題の可視化やソリューションの提案に取り組んでいます。

具体的な課題をお持ちの方、課題がみえていない方でも皆様の状況に合わせたベストなソリューションをご提案します。

ご気軽にお問い合わせください。

※調査結果については、クロス集計表をご用意しております。ご希望の際は、弊社お問い合わせよりお願い致します。

※本情報の引用・転載時には、必ず当社クレジットを明記いただけますようお願い致します。

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