【未来からほめられるアクション9】 地球規模のごみ拾いに参加する

2025 SCOPEカレンダー連携コラム

  

私たちスコープグループは、社会課題の解決を目標に「発想力と実現力で、未来からほめられる仕事を。」というパーパスを掲げ、ワクワクが持続する社会の実現をめざして企業活動を推進しています。グループのPRツールとして頒布した「2025年スコープカレンダー」では、毎月、サステナブルな記念日をピックアップし『未来からほめられるアクション』とともにご紹介しています。 

カレンダーと連携した今回のWebコラムでは、国連が定めた9月20日の「世界クリーンアップ・デー(World Cleanup Day)」についてご紹介します。

■世界クリーンアップ・デーの起源と国際的な広がり


世界クリーンアップ・デーは、2008年にエストニアで始まった「Let’s Do It 2008!」という市民運動が起源です。不法投棄された森林をきれいにしようという呼びかけにエストニアの人口の5%弱にあたる5万人以上のボランティアが清掃活動に参加しました。5時間で1万トン以上の不法投棄ごみを回収し、活動は大成功を収めました。


(写真左:エストニアはバルト三国の1つ 右:エストニアの森)


2018年には、世界中で9月第3土曜日に世界各地で清掃をするグローバルな活動に発展し、国連総会において毎年9月20日を国連国際デー「World Cleanup Day」と定められました。現在、環境美化と持続可能な社会づくりの象徴的な日となっています。

■日本での取り組みと広がり


日本では2018年にエストニア大使館の支援を受けて活動が始まり、2019年からは日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として推進されています。

2025年の清掃活動は9月20日当日に限らず、9月1日から30日までの期間で参加が認められており、企業、自治体、NPO、学校、地域コミュニティが連携して多様な活動を展開しています。多様な組織が、あるいは一人ひとりが、清掃することが小さな積み重ねとなり、「地球規模」の清掃活動となっていきます。

引用:WORLD CLEANUP DAY公式サイト

都心では、子どもから高齢者まで幅広い世代が公園や川沿いの清掃に参加し、地域の環境問題を共有しながら持続可能なまちづくりについて意識を高めています。企業では社員ボランティアがオフィス周辺の清掃を通じて環境意識やチームワークを育み、学校では授業の一環として清掃活動やゴミの分析を行い、環境問題への理解を深めています。

活動は全国に広がり、沖縄や瀬戸内海の漁業者や観光業者が主体となって、定期的な海岸清掃や海洋プラスチックごみ削減の啓発活動も活発に行われています。

■深刻な海洋プラスチック問題


日本は四方を海に囲まれた島国であり、海洋プラスチックごみ問題は特に深刻です。世界の海には現在1.5億トン以上のプラスチックごみが漂い、2050年には海中のプラスチックごみの量が魚の量(重さ)を超えるという試算もあります。中でも、5mm以下の小さなプラスチックは「マイクロプラスチック」と呼ばれ、生態系全体に悪影響を及ぼし、海洋生物の健康や人間の食の安全にも関わる重要な問題として危惧されています。

こうした問題に対し、地域の漁業者や観光業者、NPO、自治体が連携し、海岸清掃や啓発活動を継続的に行っています。これらの活動は単なる清掃にとどまらず、地域の環境意識を高め、持続可能な海の利用を促進する役割も果たしています。

世界クリーンアップ・デーの活動に参加することはもちろん大切ですが、日常生活の中でも持続可能な未来に向けてできることはたくさんあります。ここでは、誰でも取り組みやすいアクションをご紹介します。

■地域の清掃活動に継続的に参加する


自治体やNPOが主催する清掃活動に定期的に参加しましょう。家族や友人と一緒に参加することで、楽しみながら環境美化に貢献できます。また、団体で清掃することは、地域への啓発になり、ポイ捨てを減らす効果があります。

清掃活動をするうえでおすすめのサイトが「ゴミひろいサガス」です。清掃活動をしたい地域、キーワードから、自分に合った清掃団体を探せ、イベント情報も満載です。

引用:ゴミひろいサガス公式サイト

■ドキュメント映画で海洋ごみ問題を知る


海洋プラスチック問題を知る第一歩になる映画が、 『マイクロプラスチック・ストーリー~ぼくらが作る2050』です。ニューヨーク市ブルックリン地区の子どもたちが、海洋プラスチックごみ問題を解決するために行動した軌跡を2年にわたって取材したドキュメント作品。子どもたちが、ごみの収集やデータ解析をする中でプラスチックごみ問題が気候変動に影響していることを発見し、プラスチックの使用や生産を削減するようニューヨーク市に訴えかけるというストーリーです。スコープグループは2020年にこの映画を社内上映し、映画に関する活動を応援しています。

『マイクロプラスチック・ストーリー~ぼくらが作る2050年』
監督:佐竹敦子&デビーリー・コーヘン 
2019年制作/2021年劇場公開/アメリカ

公式サイト https://www.microplasticstory.org/

■日用品には環境中で分解されるものを


私たちがこれ以上マイクロプラスチックを増やさないためにできること、それは「ワンウェイプラスチック」とも呼ばれる使い捨てプラスチックを放出しないことです。日用品でプラスチックを買う際には、環境中で分解されるか、繰り返し使えるかを基準に選んでみましょう。再利用可能な素材には、環境中で分解される生分解性素材(バイオプラスチック)や、トウモロコシ由来のPLA(ポリ乳酸)、紙、竹などがあります。

■コンポストで家庭からのごみを減らす


日本は世界的に見てもゴミの分別が進んでいる国ですが、まだまだ改善の余地があります。楽しみながら生ごみについて考えるきっかけになるのが、コンポストです。生ごみなどの有機性廃棄物を土の中に埋めておくと、微生物の働きによってごみが分解され、堆肥になります。自宅の庭やベランダでもでき、必要なスペースはダンボール1箱分程度で、家庭から出るごみを減らせます。「目には見えないけれど、活発な微生物がいるみたい」という不思議な感覚も楽しめます。



世界クリーンアップ・デーは、地球規模で環境保全に取り組む貴重な機会です。しかし、環境保全は一日限りのイベントで終わるものではありません。私たち一人ひとりの継続的な行動が、未来の豊かな地球をつくっていきます。

この輪に加わり、ゴミの分別や使い捨てプラスチックの削減、地域の清掃活動への参加など、未来の子どもたちに美しい地球を手渡すために、今こそ一人ひとりが行動を起こしましょう。

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