SCOPE

「サステナブルに関心はあっても、生活を我慢するようなことはしたくない」が現実

データマーケティングセンター 岩瀬 厚一郎 今井 洋

食品スーパーでのお買い物から、生活者のサステナブルに対する意識・行動を見てみたら…

私たちが所属するデータマーケティングセンター(DMC)は生活者心理・購買行動などあらゆるデータを収集・解析し、クライアントにおけるコミュニケーション戦略を立案している部門です。

当社ウェブサイトをご覧になられた皆様へオリジナルの調査結果とそれに基づくわれわれなりの「気づき」をお届けし、日々のマーケティング活動に活かして頂ければと思っています。

6月は環境月間、世間において「SDGs(持続可能な開発目標)」というワードもよく耳にするようになってきました。

そこで今回は、生活者のサステナブルに対する意識やサステナブルな行動の実態把握とその傾向を、日常生活に欠かせない“食品スーパーでのお買い物”から考察します。

◆日常、食品スーパーで「サステナブルな買い物」を意識している人は全体の半数弱。女性全般や子育て世代の30代のスコアが高い

>男女を同年代で比較すると、最大10pt程度の差で女性のスコアが高い傾向の中で、30代だけはいずれも47%程度で並ぶ結果に

>女性の中でも、特に20代・60歳以上では50%超

◆身近なサステナブルな取り組みとして浸透する「エコバッグ」や「詰め替え商品」。「バラ売り・量り売り」などフードロス対策につながる“買い方”は、関心はあっても行動に移せていない現実も

>「地元の店で買い物をする」ことも日常の買い物におけるサステナブルな取り組みとして実行している項目として上位

>その中で、20・30代では「バラ売り・量り売りで必要な分だけ買う」「その日食べるものだけ買う」のスコアが他の年代よりも高く、ライフスタイル上、店舗そのものを冷蔵庫代わりにしているケースも多い世代では、結果として、ムダを減らすアクションを取っていることに。

◆実際に購入しているサステナブルな商品では、「地産地消の商品」「規格外商品」「生産者応援」などのお得感のあるものが人気。

関心ベースでは、就労継続支援から温室効果ガスの排出削減、環境負荷を減らす食材まで範囲は幅広い

>「オーガニックマーク」「フェアトレードマーク」など取り組みが価格に転嫁されやすい商品については、共感はできても購入は控えている傾向がある

>メディア等で話題にのぼった食材のうち「平飼い卵」「代替肉」についても6~7割の人が関心を持っており、特に若年層のスコアが高い。一方、“地球の食糧難を救う”とも言われている「昆虫食」は新奇性恐怖もあり、関心ベースでも低いのが現状

◆モノだけでなく、「ムダを出さない買い方ができる売り場」や「いつもの買い物で“手軽に”社会貢献をしていることが実感できる」取り組みにも関心

>食品スーパー自身が行うサステナブルな取り組みに対する気持ちとしては、購入者自身にもメリットの大きい「消費期限・賞味期限切れ間近商品の販売」が最上位

>以下、「バラ売り・量り売りで必要な分だけ買える」ことや「肉や魚のトレー販売削減」など買い手と売り手双方のムダを省く売り方への関心も高い

>「キャベツやとうもろこしなどの外葉を回収し、動物用の飼料などの原料として回収」のような“買い物ついで”で手軽にできる行為や、購入者自身が直接かかわることは無い「きらびやかな照明や過剰な演出を控えたエコな売り場」への関心も高い

★今回の気づき・ラーニング

今回の調査から、サステナブルを意識しながら日常生活を送っている人は多いことがわかりました。その中でも、女性を中心に、子育て世代については男性も含めて関心は高いことが見受けられます。理由としては、年代的にもサステナブルに関する情報との接触機会(学校で学ぶなども含め)が多かったり、生活環境の変化をきっかけにした将来への関心・不安の高まりなどが考えられるほか、世の中で開催されているサステナブル関連のイベントも親子対象のものが多いこともあると思います。

具体的な行動の中身としては、日常生活に我慢を伴わないレベルのアクションにとどまっているのが現実で、「お金がかかる」「生活スタイルを変える」などの必要が出てくると、理解はあってもなかなか実行に移すことは難しい現実があるようです。そのような中で、特に「消費期限・賞味期限切れ間近商品の販売・陳列」に対して関心が高いのは、生活者にとって“社会のためであり、自分のためにもなる”点が受け入れられているのだと考えます。

世界情勢の変化もあり、全体的な物価高や資源不足などが私たちの生活を直撃する中で、これまで同様のサステナブルに対するモチベーションを維持できるかは不透明な世の中です。例えば「ごみを出さない」「節約する」「省エネする」といった一辺倒な考えにとらわれず、社会環境の変化に合わせた“暮らしの心地よさ”も考慮した最適なサステナビリティーアクションのとり方を臨機応変に考えていく必要があります。日々の暮らしに「新しい発見」や「エンターテインメント性」が加わるようなアクションが有効ではないでしょうか。

日常生活と密接な関係にある商業施設においては、店内でのちょっとした暮らしの知恵としての発信からイベントの開催など、期待されている役割は大きそうです。サステナブルな取り組みを継続していくことで、時間をかけて店舗・施設そのもののブランド力の向上にも繋がっていくはずです。

当社では、『SCOPE GROUP Sustainability』として様々な取り組み・活動を行っており、レポートとしてもご報告しております。是非そちらもご覧ください。

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<調査概要>

■調査方法:ウェブ調査

■調査エリア:全国

■調査対象者:20歳~69歳男女  ・未既婚の指定、既婚者の子ども有無の条件無し ・食品スーパーの実店舗で食料品を購入時に「サステナブルな買い物」を意識している

■サンプル数: 本調査 合計1,111サンプル (事前調査 3,834)

■調査期間:2022年5月

当社データマーケティングセンターではオリジナル調査の設計はもちろん、アンケート結果や定性・定量データを元に課題の可視化やソリューションの提案に取り組んでいます。

具体的な課題をお持ちの方、課題がみえていない方でも皆様の状況に合わせたベストなソリューションをご提案します。

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※調査結果については、クロス集計表をご用意しております。ご希望の際は、弊社お問い合わせよりお願い致します。

※本情報の引用・転載時には、必ず当社クレジットを明記いただけますようお願い致します。

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