ゴールデンウィークも疾風のごとく去り、皆様、無事に社会復帰できましたか。
筆者は最初から都心でくすぶっている予定で、新宿の街などをブラついていたのですが、いや、ほんとに百貨店の売場が空いていること。高額品への購買意欲の減退ぶりをあらためて実感させられました。しかし、せっかくの休日に不況感を噛みしめていても仕方がないので、にぎわっている場所へGO!

出かけたのは、有楽町の東京国際フォーラム。5月3日〜5日の3日間、音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2009」が開催されていました。今年は「バッハとヨーロッパ」をテーマに、8会場を使って、朝から晩までバッハやヨーロッパ・バロック音楽の公演が目白押し。45分ほどのショートプログラムも多く、チケットも1500〜4000円と手頃、かつ、(ここが大事!)出演者は国内外ともに一流揃い。事前に聴きたい公演のチケットを購入しておくもよし、「残りモノに福」を願って当日チケットを買うもよし、一日中、演奏会をハシゴして楽しめるのです。

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1995年に仏・ナントで誕生したこの音楽祭が、東京でも行われるようになったのは2005年から。動員数はご本家を上回り、今年の開催公演数(有料・無料合計)は303公演、出演者総数は内外合わせて1279人、チケット販売数13万6751枚、来場者数(推定概算/5月5日発表の公式速報時点)40万5,000人という活況を呈しています。

いつもはさまざまな業界の見本市などが行われている展示ホールでは、無料コンサートのステージや、カフェスペース「バッハコーヒーハウス」、公式グッズ等を揃えた「バッハ市場」、そしてスポンサーのブースなどが設営されており、公演の合間の時間をつぶすのにも困りません。


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無料コンサートステージ。一番人が集まっていたのは、演奏ではなく脳科学者・茂木健一郎氏と指揮者・鈴木雅明氏の対談?!

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「バッハコーヒーハウス」。親子三代の家族連れ、お友だち同士、一人で来ている人などなど、来場者層はかなり雑多です。

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公演会場内が撮影禁止のこともあり、「フォトギャラリー」でお気に入りのアーティストの写真をケータイに撮っていく人も。

展示ホールに入るには、有料公演のチケット(もしくは半券)がいるのですが、中庭では、誰でも無料で楽しめる「ミュージックキオスク」や、公演の録画が流れる大型ビジョンが設置され、また、近隣の丸の内エリアでも関連イベントが各所で開催されているので、気ままに散策して楽しむのも有り。

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「ミュージックキオスク」。

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喧噪の中、屋外ビジョンの音はよく聞こえませんが、雰囲気を楽しむってことで。

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ネオ屋台村も大盛況。食に不自由させないというのは、イベントの満足度を上げる重要ポイントですね。

「ラ・フォル・ジュルネ」に、なぜこんなに人が集まるのか。それは、より多くの人が参加できるような切り口をたくさん用意してあるからでしょう。
クラシック音楽には学校の音楽の時間以来縁がないという人から、ディープなリスナー、自分で楽器をやっている人にまで対応している各種プログラムの幅広さ。通常のコンサートでは年齢制限にひっかかる小さなお子さんに向けた「0歳からのコンサート」や、大ホールの公演に設けられた中・高校生専用のワンコイン(500円)シートなど、ハードルを下げるさまざまな工夫がなされています。このイベントの生みの親であるアーティスティック・ディレクター、ルネ・マルタン氏の「一流の演奏を低料金で提供することによって、明日のクラシック音楽を支える新しい聴衆を開拓したい」という熱い思いが、そこかしこに感じられました。

いま、日本人が求めているのは「お祭り」なのかもしれない──。「ラ・フォル・ジュルネ」の盛り上がりを見て、そんな思いが筆者のアタマをよぎりました。格差社会とか、少子・高齢化とか、またマーケティングの話で言えばOne to Oneとか、ターゲットセグメンテーションとか。これまで分類して細分化する一方だった思考回路に、いま必要なのは、より多くの人をとりこむ、いわば「バリアフリー」の発想なのではないか......、と。
「クラシック村総出のお祭り」は、実際かなり楽しくて、「来年もぜったい行く。もっとチケット買って2日間ぐらい通う!」と、早くも決意している筆者なのでした。